当院では、術前と術後に、口腔内の写真を撮らせていただきます。
それは、どんな説明よりも、実際に写真を見ていただくほうが、患者様にとって現状を把握していただきやすいと思うからです。
また、患者様と情報を共有できる、治療方針が立てやすくなる、お口の変遷を知ることができる、など様々なメリットがあります。ここでは、これから治療を検討されている方のために、代表的な症例を毎月更新していきます。
- 2019年の症例
初診:前歯がとれたので、つけ直して欲しいと来院。
取れた歯のポストが長いためとれる→歯との隙間がある。
今回はそのままつけ直したが、次回とれたら連結が望ましいが、審美性と形をそろえるなら、すべて除去してやり直しが理想。ただし、医療費がかかる旨を説明。
この症例の注意点
・一年以上検診していない。
・処置歯だらけである。
・上顎前歯の審美性が気にならない。
・口腔衛生状態良好とはいえない。
定期的な検診をしていないので、お口の中が良くない状態が長く、むし歯になっては処置することの繰り返しになります。
下の写真5番目では、歯の裏にびっしりと歯石の付着も確認でき、このまま放置するとむし歯や歯周病につながる可能性があります。
また、悪くなっては処置を繰り返していくと、すべての歯のやり直しにもつながる可能性があるので、費用もかかってしまうため、定期的な検診をおすすめいたします。
初診:左上の歯に穴があき、痛いとのことで来院。
CR破折を確認。お口の中はむし歯だらけ。4番・5番の歯にも二次カリエス(処置した歯のむし歯)あり。
麻酔をして神経の治療をした後に、金属の土台を入れ、金属の被せものをセット。
※今回は1本のみ治療したが、4番・5番の歯はいずれ、同じように穴があき、痛みが出る可能性が出ることを説明し、メンテナンスと管理の説明をした。
この症例の注意点
・一年以上検診していない。
・処置歯だらけである。
・上顎で治療をきちんとしてあるか、確認できない。
・神経の治療歯は、神経のある歯と比較して、今後歯を抜く確率が高くなる。
・未処置があるので管理が必要である。
一度むし歯になって処置した歯は、またむし歯になりやすいため、検診を長期間しないと、この症例の様に穴があき、痛みが出るまで気づけません。また、何度も処置を繰り返すと、抜歯する可能性が高くなります。
今回処置できなかった治療が必要な歯は、しっかり管理しないと、どんどん悪くなるばかりです。
まずは処置を行い、その後は定期的な検診を受けていただくことを推奨いたします。